自己紹介
こんにちは、ジサクボです。
このサイトを見つけてくれてありがとうございます。私がビカクシダを育て始めてから、もう5年が経ちました。この記事では、私がどうやってビカクシダにハマったのか、どんな失敗をしてきたのか、そして今どんな風に育てているのかを書いていこうと思います。
YouTubeの一本の動画から始まった
2020年初めのこと。YouTubeでインテリア系の動画を見ていて、たまたまビカクシダが映ったんです。
初めて見た時は衝撃でした。「なんだこれ、かっこいいな」って。
植物なのに、部族の仮面みたいなフォルムというか。そういう独特の雰囲気に惹かれたんですよね。
で、気になって調べて、実際にお店に見に行って。
そこで出会ったのが、最初の1株、**P. stemaria (ステマリア)**でした。
2020年12月、初めて買ったステマリア
8000円の値札を見て2時間悩んだ話
値札を見たら8000円。
正直、高いって思いました。植物に8000円って、当時の私にとっては結構な金額で。お店の中をうろうろして、他の植物も見て、また戻ってきて、ステマリアを見て。
そんなこと2時間くらい繰り返してたと思います。
でも結局、「やっぱり欲しい」って気持ちが勝って、買いました。
今思えば、あの2時間の葛藤がビカクシダ沼の入り口だったんですよね。
ちなみにそのステマリアは、今は手元にありません。誰かにあげました。それはそれで良い思い出です。
なんでこんなにハマったのか
最初の1株を育て始めて、気づいたら株が増えて、気づいたらInstagramを始めて、気づいたら一番多い時で100株以上になってました。
じゃあなんでそんなにハマったのかっていうと、環境や育て方で姿が全然変わるっていうのが面白かったんです。
同じ品種でも、人によって、環境によって、まったく違う姿になる。それって、ある意味ゲームみたいだなと思って。
「こういう風にしたい」って狙って、環境を整えて、美しく展開するように葉っぱの向きなどを自分の手で調整して。この葉の向きを自分の手で調整することを「誘引」と言います。で、実際にその通りに育ってくれた時の達成感がすごいんですよね。
特に、胞子葉が左右対称にきれいに開いた時とか、貯水葉が理想的な形で展開した時とか。そういう瞬間が本当に嬉しい。
あと、完全室内で育てられるっていうのも大きかったです。ベランダも温室もいらない。LED照明と空調設備(エアコン)があれば、普通の家で育てられる。ただし、逆に言うとLED照明がなければ、ちゃんと育たないかもしれません。それがビカクシダの魅力であり、必要条件でもあります。
たくさん枯らしてきた(失敗談を隠さない)
ここまで読んで「順調に育ってきたんだな」って思うかもしれないんですけど、全然そんなことないです。
正直、たくさん枯らしてきました。
ここでは代表的な失敗談をいくつか紹介します。詳しい失敗談やトラブルシューティングについては、今後の記事で詳しく書いていく予定なので、そちらもぜひ見てください。
日焼けで枯らした(ベイチー)
P. veitchii(ベイチー)っていう品種を育ててた時のこと。
「ベイチーは光に強いから直射で育てるといい」っていう情報を見て、春に外に出したんです。よかれと思って。
そしたら、一気に日焼けして枯れました。
今思えば、情報を鵜呑みにしすぎたんですよね。いきなり環境を変えるんじゃなくて、徐々に慣らしていくべきだった。これは痛い教訓でした。
カイガラムシで枯らした
カイガラムシって、ビカクシダにつく害虫なんですけど、これも油断すると一気に増えます。
全然観察してなかったら、いつの間にかびっしりついてて、どうしようもなくなって枯れた株がありました。
対処法は、毎日チェックして、見つけたら手で取る。これに尽きます。温かいシャワーをかけて取りやすくしてから全部取る。地味だけど、これが一番確実です。
病気で枯らした(一番ショックだった)
一番ショックだったのは、病気で枯らした時です。
高額な品種だったんですけど、普通に管理してたのに、急に胞子葉が元気なくなってしなしなになって。どんどん抜けていって、最終的に枯れました。
原因はおそらく病気だと思うんですけど、はっきりわからなくて。「マジか…」って思いました。
でも、こういう失敗も含めて、ビカクシダ栽培なんですよね。完璧に育てられる人なんていないと思います。
成功体験もある
失敗ばかりじゃなくて、成功体験もあります。
一番うまく育ったなって思うのは、P.willinckii 月光爪哇です。
P.willinckii 月光爪哇 (2025年5月) - 左右対称に美しく展開
貯水葉は大きく末広がりに展開して、胞子葉は左右対称にきれいに開いて。理想的なウィリンキに育ってくれました。
狙った環境で、狙った通りに育ってくれた時の嬉しさは、何回経験しても変わらないですね。
今一番お気に入りの株は、P. Phenomenalです。
P. Phenomenal - 細葉でコンパクト、独特な雰囲気
細葉でコンパクトで、他のビカクシダとは一線を画す独特な雰囲気があって。眺めてるだけで楽しいです。
私の栽培環境
完全室内で育ててます。
私の栽培環境 - 環境1:2階の廊下
ここでは簡単に紹介しますが、LED照明の選び方や水やりの詳しい方法、育成ノウハウについては、今後の記事で詳しく書いていく予定です。
具体的には、3つの環境で栽培してます。
環境1:2階の廊下
- 大きな窓があって自然光が入る
- 天井にダクトレールをつけて、植物栽培用のLEDも設置
- 自然光とLEDの二刀流
環境2:完全室内
- 窓はあるけど、日光はほとんど入ってこない
- LEDのみ
環境3:トイレ(実験的)
- 窓なし、日光は入ってこない
- LEDのみ
- どこまで育つか試している実験的な設備
温度管理はエアコンでやってます。冬はあまりエアコン焚いてないんですけど、家の断熱性能がいい(一条工務店くらい)ので、冬の方がよく育つんですよね。
湿度は特に気にしてません。加湿器も使ってないです。
水やりは、水苔の表面を触って、乾いてたら即水やり。カラカラになってから水やりする「カラメ管理」はおすすめしません。成長不良を起こしやすいです。
完全室内なので、季節で水やり頻度が変わることもほとんどないです。
使っているLED照明について
私の環境で使っているのは、BRIMのパネルライトやHELIOSのライトです。
「どのLEDライトを選べばいいの?」ってよく聞かれるんですけど、正直、高いライトを1個買うより、安いライトを複数使った方がきれいに育ちます。
実際に使っている道具の詳細は、使っている道具ページで紹介してます。購入リンクも載せてるので、よかったら参考にしてください。
このサイトを作った理由
実は、このサイトは自分の備忘録として作りました。
Instagramもやってるんですけど、成長記録が時系列で追いにくいんですよね。過去の投稿を見返すのも大変だし。
だから、自分のビカクシダの成長記録をまとめて、「あの株はいつ買って、どういう風に育ってきたんだっけ?」っていうのを確認できる場所が欲しかった。
それがこのサイトです。
でも、せっかく作るなら、他の人にも役に立つ情報を載せたいなと思って。
伝えたいメッセージ
私がこのサイトで伝えたいのは、こんなことです。
1. 環境で姿が変わる多様性の面白さ
同じ品種でも、環境や育て方で全然違う姿になる。その多様性が面白い。
2. 狙った姿にするゲーム性
「こういう風にしたい」って狙って、実際にその通りになった時の達成感。これがビカクシダの魅力だと思います。
3. 室内でも育てられる(難しくない)
ベランダも温室もいらない。LED照明があれば、普通の家で育てられます。
4. 成長の目安として参考にしてほしい
「だいたいこれくらい経ったらこんな感じになる」っていうのを、このサイトで確認してもらえたら嬉しいです。
5. ビカクシダブームを裾野の広いジャンルに
ビカクシダって、一時的なブームで終わってほしくないんですよね。園芸の一つの普遍的なジャンルとして定着してほしい。そのために、裾野を広げたいって思ってます。
初心者へのメッセージ
これからビカクシダを始めようと思ってる人に伝えたいことがあります。
心がときめいたものを育ててください。
よく「初心者におすすめの品種は?」って聞かれるんですけど、私の答えは「好きなものを育てるべき」です。
育てやすい品種よりも、自分が好きな品種を選んでください。
なぜかって、好きだからこそよく観察できるんです。毎日見たくなる。で、日常的に観察してるから、ちょっとした変化にも気づける。それが学びになるんですよね。
逆に、興味のない品種は観察しないから、病害虫の温床になります。他のビカクシダにも悪影響を与える。だから、興味がなくなった株は、捨てるか人にあげるか売るかした方がいいです。
あと、環境にお金をかけてください。
株の価格よりも、環境にお金をかける方が大事です。
高いLEDライトを1個だけ買うより、安いライトを広範囲に、かつ多く使う方が、ビカクシダはきれいに育ちます。
ビカクシダがどこに手を伸ばしても、まんべんなく光がある状態にする。そうすれば、ビカクシダはきれいに育ちます。
風と温度も大事ですよ。
最後に
私がビカクシダを始めたのは、YouTubeの一本の動画がきっかけでした。
そこから5年経って、たくさん失敗して、たくさん学んで、今も毎日楽しく育ててます。
このサイトが、これからビカクシダを始める人や、既に育ててる人にとって、少しでも役に立ったら嬉しいです。
見てモチベーションが上がるようなサイトにしていきたいと思ってます。
それでは、また別の記事で。
ジサクボ