ビカクシダ栽培|スポットライトの距離とルクス値で品種配置を最適化する方法
1. この記事でわかること
この記事では、スポットライトの性質と、私の2階廊下での光環境について書きます。
スポットライトは距離で光量が変わります。私の2階廊下では、上段20,000〜25,000 lux、中段10,000〜15,000 lux、下段5,000〜8,000 luxという光環境になっており、それに応じて品種を配置しています。
この光環境を作るために、ルクスメーターで数値を確認しながら調整する方法も紹介します。
2. スポットライトの性質
光源から離れるほど光量は弱くなる
スポットライトは、光源から離れるほど光量が弱くなります。
これは物理法則によるもので、距離が2倍になると光量は約1/4になります。
その分、照射範囲は広がる
光量が弱くなる代わりに、照射範囲は広がります。
つまり、上段・中段・下段では自然と光量が変わるということです。


3. 私の2階廊下の光環境
使用しているライト
私の2階廊下では、以下のライトを使用しています:
後列(BRIM COSMO 22W × 5灯)
- 目的: 広範囲にまんべんなく光を届ける土台
前列(Helios Green LED HG24 × 6灯)
- 配置: 最上段を中心に追加の光を補う
- レンズ: 広角レンズに交換して照射範囲を広げている



使用しているライト(商品リンク)
BRIM COSMO 22W
Helios Green LED HG24
STGGTS ライティングレール
智光電気 スポットライト
上段・中段・下段のルクス値
ルクスメーターで実測した結果は以下の通りです:
| 段 | 光源からビカク(胞子葉)までの距離 | 大まかなルクス値 |
|---|---|---|
| 上段 | 約60cm | 20,000〜25,000 lux |
| 中段 | 約120cm | 10,000〜15,000 lux |
| 下段 | 約170cm | 5,000〜8,000 lux |
上段と下段で光量が3倍以上違います。この違いを活かして、品種を配置しています。
4. 上段の品種配置(20,000〜25,000 lux)
どんな品種を置いているか
品種:
- 立葉系のウィリンキー(主にムーンライトVPやPN)
- ホワイトギズモやギンカなどの白系FSQ
- ベイチー(ベイチー交雑種も含む)
- リドレイ
なぜこの品種を上段に置くのか
理由:胞子葉を短葉・立葉、または白く仕上げたいからです。
強い光を当てることで、葉を短く厚く、コンパクトに育てることができます。コンパクトに育てることでトリコームの密度が高くなるため、白系の品種(FSQ、エルサ、ハクナマタタなど)は強い光で美しく発色します。
ただし、上記の品種も必ず強い光で育てなければならないわけではありません。弱い光でも枯れることはないと思います。
5. 中段の品種配置(10,000〜15,000 lux)
どんな品種を置いているか
品種:
- P. willinckii ‘Blue Queen’(ブルークイーン)
- P. willinckii ‘Anne’(ウィリンキーアン)
- P. willinckii ‘Vanorn’(バノン)
- P. willinckii ‘Angel Gabriel’(エンジェルガブリエル)などの現在中株のウィリンキーたち
- Fシリーズ(エルサ、ハクナマタタ、ジクジク)
なぜこの品種を中段に置くのか
理由:まだ中株で発展途上の株については、仕立て方針が定まっていないため、とりあえず中段に置いています。上段でバキバキにするか、下段で優雅に仕立てるか、中段で継続して育てるか、様子を見ながら判断します。
また、意外に思われるかもしれませんが、エルサやハクナマタタといったFシリーズも中段に置いています。上段だと胞子葉が中心に寄ってしまい合掌状態になってしまうからです。中段だと、立葉を維持しつつ左右に展開してくれるのでおすすめです。
リドレイナノを中段で管理したこともありますが、胞子葉が上を向かず前方を向いたり、胞子葉が引き締まらず若干広葉になってしまったりしたため、あまりおすすめしません。
6. 下段の品種配置(5,000~8,000 lux)
どんな品種を置いているか
品種:
- P. willinckii 月光爪哇(大型)
- P. willinckii ‘Bogol Sudan’(ボゴールスーダン)
- P. willinckii ‘Smurf’(スマーフ、大型)
- P. coronarium(コロナリウム)
- P. wallichii(ワリチー)
- 貯水葉ターンのビカクシダ
なぜこの品種を下段に置くのか
理由1:大きめのウィリンキーを優雅な表現にしたい
強い光で短葉にするのではなく、優雅に垂れ下がる姿を目指している大型のウィリンキーは下段に配置しています。
理由2:上段に大型を置くと中段・下段に光が届かない(消去法)
大型の株を上段に置くと、影ができて中段・下段に光が届きません。だから下段に置いています。
理由3:強い光を要求しない株は下段に
経験則ですが、ウィリンキーなどは光環境に左右されて草姿が著しく変化します。一方、コロナリウムやワリチーはそうではなく、下段の弱めの光でもすくすく美しく育ってくれます。(あくまで私の環境の話です)
裏技:貯水葉ターンのビカクシダは光をあまり要求しない
これも経験則ですが、貯水葉は光が強くても弱くても伸びます。貯水葉ターンを成功させる要素は光よりも水だと思います。
そのため、貯水葉ターンになった株は下段に置いて、光環境を節約することもあります。胞子葉が出てきたら、上段や中段に移動します。
7. ルクスメーターで光環境を測定する
ルクスメーターの基本的な使い方
ルクスメーターの使い方は簡単です:
- ルクスメーターをビカクシダの胞子葉の位置に置く
- LED照明を点灯
- ルクス値を読み取る
- 距離や角度を調整して、目標のルクス値になるようにする
これだけです。
スマホアプリとルクスメーターの違い
スマホアプリにもルクスメーター機能がありますが、専用のルクスメーターと比べると数値が結構異なります。
スマホのカメラセンサーは照度測定用に設計されていないため、正確な数値が得られません。
**ちゃんとした光環境を構築したい場合は、専用のルクスメーターを買うことをおすすめします。**価格は3,000円〜5,000円程度で、十分な精度のものが手に入ります。
距離と光量の関係を数値で確認
ルクスメーターを使うことで、「この光源設定だと60cmで大体20,000 lux、120cmで11,000 luxになるようだ」といった関係を把握できます。
感覚ではなく数値で環境を分析できるので、自分なりの根拠を持って育成に取り組むことができます。自分の決定に迷わなくなるので、おすすめです。
自分の環境に合わせて調整
私の2階廊下の数値は、あくまで私の環境での話です。
使っているライト、ライトの配置、ライトの角度、ビカクシダの配置によって、ルクス値は変わります。
自分の環境をルクスメーターで測定して、最適な光環境を作ってください。
8. まとめ
スポットライトは距離で光量が変わります。光源から離れるほど光量は弱くなりますが、その分照射範囲は広がります。
私の2階廊下では、上段20,000〜25,000 lux、中段10,000〜15,000 lux、下段5,000〜8,000 luxという光環境になっており、それに応じて品種を配置しています。
上段(20,000〜25,000 lux):短葉・立葉・躍動感のある形にしたい品種 中段(10,000〜15,000 lux):様子を見ながら調整中の株 下段(5,000〜8,000 lux):優雅に垂れ下がる姿を目指す大型株、コロナやワリチーといった光をそんなに要求しない原種、貯水葉ターンの株
このように品種を配置することで、狙った姿に育てられます。
ルクスメーターで数値を確認しながら調整することで、より適切な光環境を作りやすくなります。