タスケルプの効果とは?ビカクシダ栽培で使ってみた【バイオスティミュラント】

【前提】

タスケルプの効果については、これから実験していく段階のため、現時点では推測の記事となっています。

この記事でわかること

SNSライブで「ドーピング」と呼ばれていた植物活力剤「タスケルプ」を購入した理由と、バイオスティミュラントという新しいカテゴリー、植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン)の働き、他の活力剤との違い、実際の使用計画について説明します。

目次

1. 結論から言うと

SNSライブで「ドーピング」と呼ばれていたタスケルプという植物活力剤を購入しました。

これはバイオスティミュラントという新しいカテゴリーの製品で、植物ホルモンを含み、ビカクシダの成長促進に効果がある可能性があります。

実際に効果があるかどうかは、これから実験していきます。

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2. SNSライブで聞いた「ドーピング」という言葉

SNSのライブ配信を見ていた時、配信者の方が「タスケルプ」という製品を「ドーピング」と呼んでいました。

「ドーピング」というくらいだから、相当効果があるということなのでしょう。その言葉が妙に印象に残りました。

配信が終わってから調べてみると、タスケルプはバイオスティミュラントという分類の製品であること、植物ホルモンを含んでいることが分かりました。

私は普段、肥料として「ハイポネックス マグァンプK 中粒」、活力剤として「フローラ HB-101」と「GH RapidStart」を使っています。ただ、これらには含まれていない「植物ホルモン」という成分に興味を持ち、購入してみることにしました。

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3. バイオスティミュラントとは何か

タスケルプはバイオスティミュラントという分類の製品です。バイオスティミュラントとは、肥料でも農薬でもない新しいカテゴリーです。

肥料が「栄養補給」だとすれば、バイオスティミュラントは「体質改善」に近いものです。植物自身の力を引き出して、成長を促進したり、環境ストレスへの耐性を高めたりします。

なぜこれがワクワクするかというと、今までの栽培資材は「材料を与える」ことが中心でしたが、バイオスティミュラントは**「植物自身の力を引き出す」**という新しいアプローチだからです。その中でもタスケルプは、植物ホルモンを含むことで、植物に成長の指令を出すような働きをします。

日本では、農林水産省が2025年5月に「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定しました。これにより、製品の効果が科学的なデータに基づいて示されるようになるため、曖昧な表現だけの製品を避けられるようになります。

4. タスケルプの成分を調べてみた

タスケルプは、南アフリカのエクロニア・マキシマという海藻から抽出された海藻エキスです。

私が注目したのは、この海藻に**もともと含まれている天然の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン)**が抽出されていることです。

これらの植物ホルモンについて、科学論文を調べてみました。

【参考:科学論文の研究結果】

Journal of Applied Phycology(応用藻類学の専門誌)やAgronomy誌に掲載された研究によると、エクロニア・マキシマという海藻には、植物ホルモンが含まれているようです。

イタリアの研究チームが、レタスとトマトの苗にエクロニア・マキシマの抽出液を与えて、化学合成されたオーキシン(NAA)と比較する実験を行いました。その結果、エクロニア・マキシマ抽出液を与えた苗は、化学合成オーキシンよりも葉の成長が優れ、根も茎も太く育ったことが分かりました。特にトマト苗では、高さが22%増加、葉の面積が44%増加、茎の太さが12%増加しました。

では、それぞれの植物ホルモンがどんな働きをするのか見ていきます。

オーキシン

細胞伸長を促進し、根の分化と成長を促進する成分です。ビカクシダへの効果としては、根が太く長く成長することが期待できます。

サイトカイニン

細胞分裂を活性化し、葉の老化を抑制する成分です。ビカクシダへの効果としては、貯水葉や胞子葉が大きく厚く育ち、葉が茶色くなりにくく、長く緑を保つことが期待できます。

ジベレリン

茎葉の伸長を促進する成分です。ビカクシダへの効果としては、胞子葉が長く伸びる、葉が展開しやすくなることが期待できます。

【3つの植物ホルモンの違い】

3つの植物ホルモンは、それぞれ異なる働きをします。

  • オーキシン:「どこに成長させるか」を決める司令官。主に根の成長方向を制御し、新しい根を作る指示を出します。
  • サイトカイニン:細胞の数を増やす。葉を大きく厚くします。
  • ジベレリン:細胞を伸ばす。茎や葉を長く伸ばします。

オーキシンが「ここに根を作れ」と指示を出し、サイトカイニンが「材料(細胞)を増やせ」、ジベレリンが「材料を伸ばせ」と働きます。

タスケルプには、これらの植物ホルモンに加えて、海藻由来のミネラルや多糖類なども含まれています。

植物ホルモンの「成長を指示する」という働きは、今まで使ってきた肥料(マグァンプK)や活力剤(HB-101)にはないものです。

5. 他の活力剤との違い

私が普段使っている「フローラ HB-101」「GH RapidStart」「Banks Collection BLACKWATER」とタスケルプの違いを簡単にまとめました。

注意:以下の表は私が各製品の公式情報や成分表を調べてまとめたものですが、解釈に誤りがある可能性があります。

製品名主な作用特徴的な成分期待される効果
タスケルプ植物ホルモンオーキシン、サイトカイニン、ジベレリン細胞分裂促進、成長促進
フローラ HB-101ミネラル補給ケイ素、ミネラル類細胞活性化、光合成促進、病害抵抗性
GH RapidStartアミノ酸・肥料成分補給アミノ酸、NPK (1-0.5-1)根の分岐促進、根毛増加、栄養吸収率向上
Banks BLACKWATER栄養吸収促進(キレート)フルボ酸、フミン酸、微量ミネラルキレート作用による栄養吸収促進、発根促進、代謝向上

4つの製品の作用の違い

4つの製品は、主要な作用が異なります。

1. タスケルプ(植物ホルモンが主成分)

植物の成長シグナルを直接送ります。「今、葉を展開しなさい」「根を伸ばしなさい」という指示を出すような働きです。

2. HB-101(ミネラルが主成分)

光合成や代謝の材料を供給します。「光合成に必要な材料がここにあるよ」という働きです。

3. RapidStart(アミノ酸・NPKが主成分)

タンパク質の材料と栄養を供給します。「根を作るための材料がここにあるよ」という働きです。

4. BLACKWATER(フルボ酸・腐植酸が主成分)

栄養の運び屋・橋渡し役です。ミネラルを吸収しやすい形に変換します。「このミネラルを運んで、植物が吸収しやすくするよ」という働きです。

それぞれの製品で特徴的な成分が異なるため、理論上は併用による相乗効果が期待できる可能性があります。ただし、これらの製品を実際に併用した場合の効果については、科学的に証明されていません。あくまで各製品の作用から推測できる可能性であり、実際に試してみないと分かりません。

注意点:タスケルプにもミネラルやアミノ酸が含まれているため、完全に独立した成分ではありません。主要な働きが異なるという意味です。

6. 実際に使ってみた

実際にタスケルプを開封してみました。

タスケルプのパッケージ(正面) タスケルプのパッケージ

臭いはほとんどありません。少しビタミン剤のような臭いがする程度で、室内で使用しても問題なさそうです。HB-101やラピッドスタートも臭いは少ない製品ですが、タスケルプも同様に扱いやすいと感じました。

使用計画

シダ植物専用の使用データがないため、まずは薄めの5000倍希釈、週1回程度から始めて、様子を見ながら調整していく予定です。もしビカクシダでタスケルプを使っている方がいれば、どれぐらいの希釈倍率で効果が出たか、ぜひ教えてください。

私の栽培環境は完全室内なので、環境ストレスへの耐性向上よりも、純粋な成長速度の向上を期待しています。そのため、タスケルプを使用するタイミングにも工夫が必要だと考えています。

タスケルプは栄養生長期向けとされているため、特に小株から中株までの成長期に積極的に使っていこうと思っています。この時期は、見た目の美しさよりも、いかに早く大きく育てるかがポイントだと思っているからです。逆に、大株になってからは使用を控えるかもしれません。植物ホルモン投与による成長だと、自分が狙った姿にできなくなる可能性があると考えているためです。

観察する項目は、新しい貯水葉の展開速度、胞子葉の伸長、板付け後の根の定着です。SNSライブで「ドーピング」と呼ばれていた理由が、使ってみて分かるかもしれません。

使用結果については、今後の記事で報告していきます。

7. まとめ

SNSライブで「ドーピング」と呼ばれているのを聞いて、タスケルプという植物活力剤を購入しました。

これはバイオスティミュラントと呼ばれる新しいカテゴリーの製品で、肥料や農薬とは異なり、植物の成長力を高めるものです。

主な成分として植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン)が含まれており、植物に成長の指令を出すような働きをします。これはHB-101やマグァンプKにはない働きです。

ビカクシダへの効果としては、根が太く長く成長する、貯水葉や胞子葉が大きく育つ、葉の展開が促進されることが期待できます。

ただし、実際に効果があるかどうかはこれから実験していく必要があります。今後、使用結果を記録し、このサイトで報告していく予定です。

参考文献

  • 農林水産省「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」(2025年5月)
  • Cambri, D., et al. (2022). “Effects of NAA and Ecklonia maxima Extracts on Lettuce and Tomato Transplant Production.” Agronomy, 12(2), 329.