ビカクシダ栽培|木材の平板 vs コルク|私が木材の平板を選ぶ理由
1. この記事でわかること
ビカクシダを板付けする際、着生材として木材の平板とコルクのどちらを選ぶか迷う方も多いと思います。
この記事では、両者のメリット・デメリットを比較して、私がなぜ木材の平板を選んでいるのかを解説します。
【この記事の対象】
ウィリンキーやコロナリウム、ワリチーなど、貯水葉が王冠のように末広がりに育つビカクシダを対象にしています。
結論として、私は焼き杉板などの木材の平板をおすすめします。
理由は、平らで水苔を薄く、緩やかなドーム状に盛りやすく、板替え時に根を傷めにくいからです。
一方、コルクは自然な風合いが魅力ですが、凸凹しているため平板と比較すると水苔を薄く、緩やかなドーム状に盛りにくく、板替え時に根が凹凸に入り込んで取り出しにくい傾向があります。
育成重視なら木材の平板、インテリア重視ならコルクという選び方になると思います。
目次
2. 木材の平板 vs コルク|私は木材の平板をおすすめ
それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
私は焼き杉板などの木材の平板をおすすめします。
木材の平板のメリット
木材の平板が一番ポピュラーで使いやすいです。理由は2つあります。
メリット1:水苔を緩やかなドーム状に盛りやすい
平らで横幅がある板なら、水苔を薄く、緩やかなドーム状に盛れます。この形状だと、貯水葉が板の上部で左右に広がりやすく、末広がりの美しい姿に育てやすくなります。
一方、釣鐘状に盛ってしまうと、貯水葉が面長になり、内側に巻き込まれやすくなります。
実際の写真を見ていただきたいと思います。下の写真は、木材の平板に水苔を盛った例です。
ご覧のように、平板なら横幅を広く取って水苔を盛れます。貯水葉が板の上部で左右に広がり、末広がりの形に育っています。
また、平らな板なら成長点を真正面に向けやすくなります。成長点が真正面を向くことで、胞子葉が左右対称に展開しやすくなります。
メリット2:板替え時に根を傷めにくい
私の場合、大株になるまで高頻度で苔増しや板替えを行うため、このメリットは重要です。
平らな板は凹凸がないため、板替えの際に株を外しやすく、根を傷めるリスクが低くなります。
参考:木材着生板の一例
木材の平板を選ぶなら、例えばこのような焼き杉板などの着生プレートがあります。サイズは30×20cm程度あれば、ウィリンキーなどの中株まで対応できます。大株になると横幅23cm以上が欲しいところですが、中株までならこのサイズで十分です。
ワンポイント:ボンゴピンで壁の汚れを防ぐ
木材の平板を使う際のおすすめとして、板裏の下両端にボンゴピンを刺しておくと良いです。板が壁に直接触れないため、壁が汚れません。
コルクのメリット・デメリット
コルクは自然な風合い、立体感、インテリア映えがあってかっこいいです。一度は憧れる方も多いのではないでしょうか。
メリット:自然な風合いとインテリア性の高さ
コルクの最大の魅力は、自然な風合いとインテリア性の高さです。ゴツゴツした立体的な質感は、ビカクシダの野性味を引き立て、部屋のアクセントになります。木材の平板とは違った存在感があります。
ただし、育成面ではいくつか注意点があります。
デメリット1:水苔を緩やかなドーム状に盛りにくい
コルクの一番の特徴は、ゴツゴツした自然な表情です。でも、木材の平板と比較すると、水苔を盛るのが難しい傾向があります。
私は、ビカクシダを美しく育てるには、水苔の形と成長点の向きが重要だと考えています。そのため、水苔を薄く、緩やかなドーム状に盛って、成長点が真正面を向くようにセットするようにしています。
しかし、コルクは凹凸があるため、平板と比べて難易度が上がります。厚めに盛りやすく、成長点の向きも真正面にしにくい傾向があります。
さらに、コルクは形が不規則で、横幅がまちまちです。一番狭い部分が横幅のボトルネックになるため、水苔を十分な横幅で盛りにくくなります。
実際の写真を見ていただきたいと思います。下の写真は、コルク板に水苔を盛った例です。
横幅が狭いため、水苔が釣鐘状になってしまいます。この形で貯水葉が展開すると面長になり、左右に広がりにくくなります。後で横幅を出すように整形修正しようとすると大手術となり、貯水葉を傷つけたり、株に負担をかけたりすることになります。
デメリット2:板替え時に根を傷めやすい
意外と難しいのが、「板替え」のときです。
コルクは表面が入り組んでいるので、根が細かい隙間に入り込む傾向があります。いざ板替えしようとすると、根がコルクに絡みついて剥がれない。無理に剥がそうとすると、大事な根を切ってしまうリスクがあります。平板と比較すると、板替え時の難易度が高いと感じています。
デメリット3:場所を取る
コルクは不規則な形をしているため、実際に水苔を盛れる面積よりも全体のサイズが大きくなりがちです。室内栽培では限られたスペースでビカクシダを育てることが多いので、場所を取るのは大きなデメリットです。
以上のことから、私は育成重視なので木材の平板を選んでいますが、インテリアとしての見た目を重視する場合は、コルクも選択肢になると思います。ご自身の育成環境や優先順位に合わせて選んでください。
まとめ
ビカクシダの板付けで迷う「木材の平板 vs コルク」問題について、私の考えをまとめます。
私は焼き杉板などの木材の平板をおすすめします。
木材の平板のメリット
- 水苔を薄く、緩やかなドーム状に盛りやすい:貯水葉が板の上部で左右に美しく広がる
- 板替え時に根を傷めにくい:凹凸がないため、株を外しやすい
コルクの注意点
- 表面が凸凹で形が不規則:平板と比較すると水苔を緩やかなドーム状に盛りにくく、釣鐘状になりやすい傾向がある。釣鐘状になると貯水葉が左右に広がりにくい
- 板替え時に根を傷めやすい:根が凹凸に入り込む傾向があり、剥がす際に切ってしまうリスクが高い
- 場所を取る:不規則な形のため、実際に使える面積より全体サイズが大きい
木材の平板の方が管理しやすく、貯水葉が末広がりになるようにビカクシダを育てることができると思います。
私は育成重視で「平板派」ですが、インテリアとしての見た目を重視する場合は、コルクも選択肢になると思います。ご自身の育成環境や優先順位に合わせて選んでください。