ビカクシダの誘引テクニック|ワイヤーを使った胞子葉の形づくり その1

⚠️ 前提

この記事は、私の特定の環境(室内栽培)での経験をもとに書いています。すべての環境に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。

この記事でわかること

この記事では、ビカクシダの胞子葉をワイヤーで誘引するテクニックについて書きます。なぜ誘引するのか、誘引のタイミング、具体的な方法、注意点を紹介します。

目次


なぜ胞子葉を誘引するのか

室内栽培では胞子葉の方向が偏ることがある

私の環境では、ビカクシダの胞子葉、特にウィリンキー系の品種は、光に向かって伸びる傾向が強いと感じています。

室内栽培では光環境が限られているため、LED照明の位置によって胞子葉が偏った方向に伸びたり、左右のバランスが崩れることがありました。

誘引は必須ではない

誘引は、ビカクシダを育てる上で必ずしも必要な技術ではありません。誘引しなくてもビカクシダは健康に育ちますし、株が枯れることもありません。

自然な姿のまま育てることを好む人もいますし、それも一つの楽しみ方です。誘引するかどうかは、個人の好みによる部分が大きいです。

誘引の目的:造形を整えること

誘引の目的は、あくまでも人が見た時の造形を整えることです。株の健康や成長とは別の、美的な観点での技術です。

私の場合、正面から見てシンメトリーな印象を持つビカクシダが美しいと感じます。そのため、胞子葉が光に向かって偏った方向に伸びた時や、左右のバランスが崩れた時に誘引しています。

ただし、これはあくまで私個人の美的センスです。

この記事の対象読者

この記事は、「誘引をやりたい人」に向けて、具体的な方法と注意点を紹介します。

誘引に興味がない方は、この技術を使わずに自然な姿で育てることをおすすめします。ビカクシダの楽しみ方は人それぞれです。


誘引のタイミング

誘引は、タイミングが重要です。胞子葉が若く柔軟性がある時期を見極める必要があります。

胞子葉が硬化する前に誘引する

胞子葉は成長とともに硬化していきます。硬化した胞子葉は、思うような形や向きにすることが難しくなります。ワイヤーを外すと元の形に戻ってしまいますし、無理に曲げると折れてしまう可能性があります。

そのため、柔軟性がある若いうちに誘引する必要があります。

成長初期段階では葉組みで対応

胞子葉の成長初期段階、まだ分岐が展開せずに白く伸びている時期は、ワイヤーをかけられるほど胞子葉が育っていません。

この段階で胞子葉が変な方向に伸びている場合は、まず葉組みで方向性を修正しておきます。

葉組みとは: 既存の成長した胞子葉に、展開中の胞子葉を引っ掛けることで、向きを誘引する技術です。ワイヤーを使わず、既存の胞子葉を支えとして利用します。道具を必要としないため汎用性が高い技術です。これについては、別の記事で詳しく解説する予定です。

ワイヤーがかけられるサイズになってから本格的に誘引

胞子葉が分岐を展開し、ワイヤーをかけられるサイズに育ってから、本格的にワイヤーで誘引します。

このタイミングを見極めることが、誘引の成功につながると感じています。


必要な道具

ワイヤー

アルミワイヤー

  • 柔らかく曲げやすい
  • 錆びにくい
  • 太さ:2mm〜3mm程度(胞子葉の硬さによって使い分ける)

ワイヤーの選び方

ワイヤーは、人の手で容易く曲げたりねじったりできるものを選んでください。

太さは、胞子葉の硬さによって使い分けます。私の経験では、以下のように選んでいます:

  • 胞子葉が硬くないもの:2mm
  • 胞子葉が硬いもの:3mm

胞子葉が硬くないものに3mmのワイヤーを使うと、ワイヤーが重すぎてずれ落ちたり、胞子葉を傷つけたりする可能性があります。逆に、硬い胞子葉に2mmのワイヤーを使うと、強度不足で形を保てません。

どちらを使うかの判断は、経験を積むとわかってくるようになります。最初は2mmと3mmの両方を用意しておくと、実際に試しながら使い分けを覚えられます。

私が使っているアルミワイヤー

アルミ線 茶 300g巻 3.0mm×15m

アルミ線 茶 300g巻 3.0mm×15m

📦 3.0mm×15m Amazonで見る

3.0mmのワイヤーは太さがあるため強度が高く、誘引だけでなくビカクシダを板に着生させる際のフックとしても使えます。

アルミ線 茶 300g巻 2.0mm×35m

アルミ線 茶 300g巻 2.0mm×35m

📦 2.0mm×35m Amazonで見る

2.0mmのワイヤーは細めで軽く、柔らかい胞子葉に適しています。

その他の道具

  • ペンチ(ワイヤーを切る)

ワイヤーを使った誘引の方法

ここからは、ワイヤーを使った誘引の具体的な方法を紹介します。

私が使っている誘引方法は複数ありますが、今回はそのうちの一つを写真で解説します。

どんな時に使う方法か

この方法は、以下のような状況で使います:

  • 片方の胞子葉が成長しきっている
  • 展開中の胞子葉が地面に対して垂直に近い角度で伸びている
  • このまま成長すると、自重で胞子葉が内側に倒れ込む可能性がある

展開中の胞子葉が縦に伸びていると、成長した時に重さでひっくり返ってしまうことがあります。それを防ぐために、ワイヤーで角度をつけて横向き(地面と平行に近い角度)に誘導します。

手順

1. ワイヤーを準備する

ワイヤーを準備する

必要な長さにワイヤーをカットし、形を整えます。

2. 誘引したい胞子葉にワイヤーを引っ掛ける

胞子葉にワイヤーを引っ掛ける

誘引したい胞子葉にワイヤーを引っ掛けます。

3. 成長しきった胞子葉にワイヤーを引っ掛けて角度を調整する

成長した胞子葉に引っ掛けて角度調整

成長しきった硬い胞子葉にワイヤーを引っ掛けます。ワイヤーの位置や曲げ具合を微調整して、胞子葉が横向きになるように角度をつけます。

こうすることで、胞子葉の向きを横向きにすることができました。

完成形・別角度1 完成形・別角度2

別の角度から見た様子です。

この方法のコツ

成長しきった胞子葉を支点にする

成長しきった硬い胞子葉にワイヤーを引っ掛けることで、テコの原理で固定します。この支点がしっかりしていないと、ワイヤーがずれてしまいます。

角度の微調整が重要

ワイヤーの位置や曲げ具合を少しずつ調整して、望む角度に誘導します。急激に曲げると胞子葉が折れる可能性があるため、慎重に作業します。


誘引の注意点

注意点1: 胞子葉を傷つけない

ワイヤーで締め付けすぎると、胞子葉を傷つける可能性があります。

対策:

  • ワイヤーは緩めに固定する
  • 定期的にチェックし、食い込んでいないか確認
  • 傷がついたらすぐにワイヤーを緩める

注意点2: 急激に曲げない

胞子葉は柔らかくても、急激に曲げると折れる可能性があります。

対策:

  • 徐々に方向を変える
  • 柔軟性を確認しながら作業する
  • 無理に曲げない

注意点3: タイミングを逃さない

胞子葉が硬化すると誘引できなくなります。

対策:

  • 胞子葉の展開をこまめにチェック
  • 若い胞子葉を見逃さない
  • 硬化する前に誘引する

注意点4: 自然な形を尊重する

無理な誘引は株にストレスを与える可能性があります。

対策:

  • 自然な成長を妨げない範囲で誘引
  • 極端な形には誘引しない
  • 株の健康を最優先

まとめ

ビカクシダの胞子葉をワイヤーで誘引するテクニックについて紹介しました。

誘引のポイント

  • 若い胞子葉のうちに誘引する(硬化する前)
  • ワイヤーで胞子葉を傷つけないように注意
  • 急激に曲げず、徐々に方向を変える
  • 自然な形を尊重し、無理な誘引は避ける

誘引は、ビカクシダをより美しく仕上げるための上級テクニックです。慣れるまで練習が必要ですが、成功すると株姿が格段に良くなります。

タイミングを見極め、丁寧に作業することが成功の鍵です。


この記事についてのご質問やコメントがありましたら、Instagram(@j39bo)にDMください。