ビカクシダの貯水葉がうまく展開しない時の対処法
この記事は、私の特定の環境(室内栽培)での経験をもとに書いています。すべての環境に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。
この記事でわかること
ビカクシダを育てていて、貯水葉がひょろひょろとして弱々しく、分岐も少ない状態になることがあります。この記事では、その原因の一つである「貯水葉の裏とコンポストの間の隙間」と、その対処法を紹介します。
私のビカクシダに起きた問題
私はP.willinckii ‘Blue Queen’ というウィリンキーの品種を育てています。
途中までは順調に育っていました。しかし、中株の時のある貯水葉ターンで、これまでとは違う、分岐の少ない変な感じの貯水葉が出てきました。
▲ この頃のBlue Queen(2025年3月)。上部に出ている貯水葉の分岐が明らかに少ない
さらに、次の貯水葉ターンでも1枚目が同じようにひょろひょろとした、あまり分岐のないものでした。本来であれば大株になるサイズで、立派な貯水葉を出すのが普通なのに、こんな状態が続いていることに、とても違和感がありました。
▲ まだ展開前だが、薄くて小さく、分岐も感じられない。将来性を感じない貯水葉
▲ アップ。展開前の段階でも薄さが目立ち、このまま大きくなる気配がない
ビカクシダの有識者からのアドバイス
ビカクシダの有識者に相談したところ、「貯水葉の裏とコンポストの間に隙間があるんじゃないか」と指摘されました。
実際に上から貯水葉の裏を覗いてみると、確かに隙間がありました。貯水葉とコンポスト(水苔)の間に、指が入るくらいの空間ができていたのです。
なぜ隙間ができるのか
ビカクシダをマウントする際は、成長点を頂点にして、その周囲を水苔で覆うのが一般的です。この時点では、成長点の裏側にも水苔がしっかり密着しています。
しかし、成長点は胞子葉や貯水葉を出しながらどんどん上に移動していきます。水苔の位置は変わらないので、成長点が上にずれた分だけ、貯水葉の裏側と水苔の間に隙間ができていきます。小株の時に仕立てた場合、成長するにつれてこの隙間が顕著になりやすいです。
なぜ隙間があると貯水葉が弱くなるのか
自然界では、ビカクシダは貯水葉で上から落ちてくる葉っぱなどの有機物を受け止めて貯める構造になっていることは、皆さんご存知かと思います。成長点が上に移動しても、上から有機物が降り積もることで、新しい根がそこに伸びていき、根領域がどんどん更新されていくのだと思います。
しかし、室内環境では上から有機物が降ってくることはありません。成長点は上に移動していくのに、コンポストは自動で補充されないため、新しく根領域が増えていきません。新しい根が張りづらくなり、貯水葉が弱々しくなってしまうのではないかと考えています。
ただし、ビカクシダは成長点から新しい根を貯水葉と貯水葉の間にも這わせていますので、根領域が完全になくなるわけではありません。根領域が制限されることで、貯水葉の成長に影響が出ると考えられます。
▲ 貯水葉をひっぺがした状態。貯水葉と貯水葉の間にも根がびっしり張っている
対処法:貯水葉の裏に水苔と肥料を詰める
具体的な手順
上から貯水葉の裏を覗いて、隙間がないか確認する
隙間がある場合は、まずマグァンプKをパラパラと入れる
その上から水苔を少量ずつ詰めて、積み重ねていく
貯水葉を傷つけないように、棒状のものを使って奥から詰めていくといいでしょう。
目安としては、両側の貯水葉が重なり合う接点のところまで詰めてください。
対処後の変化
有識者のアドバイスどおりに水苔を詰めたところ、2枚目以降はとても立派な、大株に見合う貯水葉が出てきました。
下の写真は令和8年1月時点の状態です。1枚目の貯水葉は弱々しい形のまま成長していますが、2枚目以降の貯水葉はきちんと生育しています。
▲ 令和8年1月。1枚目(左)は弱々しいまま成長したが、2枚目以降はしっかり分岐している
そして令和8年3月、さらに立派な貯水葉が出てきました。
▲ 令和8年3月。大株に見合った大きな貯水葉が覆いかぶさるように形成された
やはり貯水葉の裏の隙間が原因だったようです。
まとめ
この記事のポイント
貯水葉がひょろひょろとして分岐が少なく、弱々しいと感じたら、まず上から貯水葉の裏を覗いてみてください。
この記事で紹介した資材
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JISAKUBO
管理人2020年からビカクシダを育てています。気づいたら5年で100種類以上。たくさん枯らして、たくさん学びました。自分の備忘録ですが、何かひとつでも参考になれば嬉しいです。
@j39bo