ビカクシダの誘引テクニック その3|ねじりワイヤーで胞子葉をハの字に広げる
この記事は、私の特定の環境(室内栽培)での経験をもとに書いています。すべての環境に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。
この記事でわかること
この記事では、アルミワイヤーをU字型に曲げてねじり、ある程度成長した胞子葉を挟み込んで左右対称のハの字(末広がり)に広げる誘引テクニックについて書きます。ねじりワイヤーの作り方、ねじる理由、実際の装着手順、どんなビカクシダで使えるかを、写真付きで紹介します。
誘引テクニック その1|ワイヤーを使った胞子葉の形づくり
ワイヤーを胞子葉に引っ掛けて角度を調整する基本的な誘引テクニック。
誘引テクニック その2|ヘアピンワイヤーで胞子葉の向きを揃える
成熟した胞子葉をガイドにして、若い胞子葉を同じ角度に固定する方法。
目次
- ねじりワイヤー誘引とは
- どんな時に使う方法か
- どのビカクシダで使えるか
- ねじりワイヤーの作り方
- 実際の誘引手順
- 装着後の管理
- ねじりワイヤー誘引のコツと注意点
- 誘引テクニック その1・その2・その3の位置づけ
- まとめ
ビカクシダの誘引テクニック その3|ねじりワイヤーで胞子葉をハの字に広げる
誘引テクニック その1ではワイヤーを胞子葉に引っ掛けて角度を調整する方法を、その2ではヘアピンワイヤーで成熟した胞子葉と若い胞子葉を挟み込んで向きを揃える方法を紹介しました。
今回紹介するのは、ねじりワイヤーを使った誘引です。ある程度成長した一対の胞子葉を挟み込み、ハの字(末広がり)に広げます。
ねじりワイヤー誘引とは
ねじりワイヤー誘引は、アルミワイヤーをU字型に曲げた後にねじって作ったワイヤーで、ある程度成長した一対の胞子葉を挟み込み、左右にハの字に広げる方法です。ここで言う末広がりとは、株全体を正面から見た時に左右対称のシルエットになることです。一対の胞子葉がハの字のように末広がりになると、個人的には全体のバランスが美しくなると感じています。
やり方はシンプルで、U字型に曲げたワイヤーをねじって1本にまとめ、そのねじった部分で胞子葉を挟むだけです。ねじることには2つの役割があります。1つは胞子葉を固定できること。もう1つは、ねじった部分が胞子葉と胞子葉のスペーサーとして機能し、左右に押し広げる力として働くことです。
私はこのテクニックを勝手に「ねじり」と呼んでいます。(嘘です)
どんな時に使う方法か
この方法は、以下のような状況で使います。
- 一対の胞子葉が左右に広がらず閉じ気味になっている
- 胞子葉をハの字(末広がり)に広げて、左右対称のシルエットにしたい
ねじりワイヤーは、ある程度成長した胞子葉に対して使います。成長点から垂直に出ている段階ではなく、ねじれてきて地面に対して平行の向きになりつつある胞子葉が対象です。垂直に出ている段階の胞子葉については、その2のヘアピンワイヤーで対応します。
ポイントは、成長度合いが同じ胞子葉同士でやることです。成長度合いが違いすぎると胞子葉の強度に差があるため、強い方が弱い方を押し曲げてしまい、左右対称になりにくくなります。ただし、成長度合いが違っていても強度が同程度であれば問題ありません。
どのビカクシダで使えるか
このテクニックは、主にウィリンキー系の品種で使っています。
ウィリンキーは胞子葉が複数対展開するため、それぞれの胞子葉の広がり方が全体の印象に影響します。胞子葉が閉じ気味だと窮屈な印象になりますし、逆に末広がりに開いていると伸びやかな印象になります。
今回の写真では、P.willinckii ‘yellow moon’(イエロームーン)で実演しています。
ねじりワイヤーの作り方
使うワイヤーは、誘引テクニック その1・その2で紹介したアルミワイヤーと同じものです。太さの選び方もその2と同じで、基本的に3mmを使い、胞子葉がまだ弱々しく細い場合は2mmを使います。
ワイヤーを必要な長さにカットし、U字型に曲げます。
U字型に曲げたワイヤーの両端をねじり合わせて、1本にまとめます。このねじった部分が胞子葉を固定し、スペーサーとして胞子葉を左右に押し広げるポイントになります。
実際の誘引手順
ここからは、実際にイエロームーンで誘引する手順を紹介します。
誘引前の状態
まず、誘引前の株の状態です。
胞子葉はまだ閉じ気味で、左右に大きくは広がっていない状態です。
ねじりワイヤーを装着する
胞子葉を手で持ちながら、ねじったワイヤーを胞子葉に当てていきます。
ワイヤーの交差部分を寄りで見た様子です。ねじったワイヤーが胞子葉を挟み込んでいます。
正面やや上からの角度です。ねじった部分がスペーサーとして機能し、左右の胞子葉を押し広げている様子がわかります。ワイヤーの両端が左右に伸び、それぞれの胞子葉を外側に押さえています。
装着完了
装着完了後の全体像です。胞子葉がハの字に広がった状態になっています。
ねじりワイヤーで胞子葉が左右に押し広げられ、末広がりのシルエットになりました。
後日の様子(約10ヶ月後)
こちらは誘引から約10ヶ月後の同じイエロームーンです。
胞子葉が左右にしっかりと広がり、末広がりのシルエットが定着しています。
装着後の管理
ねじりワイヤーは、できるだけ長くつけておくことをおすすめします。ある程度成長した胞子葉に対して使う方法なので、外すとすぐに元の形に戻ってしまいがちです。「もういいかな」と思っても、もう少し長くつけておいた方が形が定着しやすいと感じています。
装着後は毎日観察して、ワイヤーがずれていないか確認します。胞子葉が成長するにつれて太さや角度が変わるため、ずれていたらその都度直します。
外すタイミングは、胞子葉が十分に硬化したと感じた時に、一度ワイヤーを外してみます。外した時に胞子葉が閉じてしまうようであれば、まだ硬化が不十分なので、もう一度つけ直します。広がったままの状態を維持できていれば、そのまま外して完了です。
ねじりワイヤー誘引のコツと注意点
慣れるまで難しいが、慣れれば簡単
ねじりワイヤー誘引は、慣れるまで少し難しいと感じるかもしれません。ワイヤーを持ちながら胞子葉を持ち、胞子葉の間でワイヤーをねじってから引っ掛けるという工程があるため、最初は手が足りないような感覚になります。ただし、慣れれば簡単にできるようになりますので、ぜひマスターしてみてください。いろいろな場面で使えるテクニックです。
バッファーを持って大きめに広げる
ねじりワイヤーで胞子葉を広げる時は、目標の角度よりも少し大きめに広げることをおすすめします。ワイヤーを外した後、胞子葉は多少元に戻る傾向があります。大きめに広げておくことで、戻った分を差し引いてちょうどいい角度に収まります。小さく広げると、元に戻ってしまって効果が薄くなることがあります。
無理は禁物
ただし、やりすぎには注意してください。無理に広げすぎると、胞子葉を傷つけたり折ったりする可能性があります。特に、分岐途中の先端は弱いため、折れやすいです。胞子葉の柔軟性を確認しながら、慎重に作業してください。
誘引テクニック その1・その2・その3の位置づけ
3つの誘引テクニックは、それぞれ対象となる胞子葉の状態が異なります。
その1(フックワイヤー) は、ワイヤーを胞子葉に引っ掛けて角度を調整する方法です。任意の胞子葉1本に対して使えるため、最も汎用性が高いテクニックです。
その2(ヘアピンワイヤー) は、成熟した胞子葉をガイドにして、まだ柔軟な若い胞子葉を同じ角度に誘引する方法です。成長点から垂直に出ている段階の胞子葉に使います。
その3(ねじりワイヤー) は、ある程度成長した一対の胞子葉をハの字に広げる方法です。胞子葉が地面に対して平行方向になりつつある段階で使います。
よくある使い方としては、まずその3で一番下の胞子葉をハの字に広げて土台を作り、そこから出てくる新しい胞子葉をその2やその1で整えていく、という流れです。もちろん、状況に応じて単独で使うこともあります。
まとめ
ねじりワイヤー誘引のポイント
葉組みテクニック|道具を使わない胞子葉の誘引方法
ワイヤーを使わず、既存の胞子葉を支えとして展開中の胞子葉の向きを修正する方法。
初心者におすすめのウィリンキー3選
月光爪哇・イザナギ・ジェニー。大きい・コンパクト・ドワーフの3サイズ別に紹介。
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JISAKUBO
管理人2020年からビカクシダを育てています。気づいたら5年で100種類以上。たくさん枯らして、たくさん学びました。自分の備忘録ですが、何かひとつでも参考になれば嬉しいです。
@j39bo