育てて楽しい!成長が早いビカクシダ3選|P.hillii 'Group M'・P.Triceratops・P.willinckii 'Izanagi'
ビカクシダを育て始めたけど成長が遅くて変化が感じられない人、次の1株で何を買うか迷っている人、育てて楽しい品種を知りたい人に読んでほしい記事です。
この記事は、私の特定の環境(室内栽培)での経験をもとに書いています。すべての環境に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。
この記事について
ビカクシダを育てていて、「全然変化がない」「ちゃんと育っているのか分からない」と感じたことはないでしょうか。成長が遅い品種だと、数ヶ月経っても見た目がほとんど変わらず、モチベーションが下がってしまうこともあると思います。
この記事では、成長が早くて育てていて楽しい3品種を紹介します。P.hillii ‘Group M’、P.Triceratops、P.willinckii ‘Izanagi’ です。どれも成長速度が速く、数ヶ月で見違えるほど大きくなると思います。
それぞれの品種の特徴、私の環境での育て方、注意点を書いていきます。
左から:P.hillii ‘Group M’、P.Triceratops、P.willinckii ‘Izanagi’
P.hillii ‘Group M’
成長記録
2025年4月 — 入手直後
2025年7月 — 約3ヶ月後
2026年3月 — 約11ヶ月後
どんな品種か
P.hillii ‘Group M’は、胞子培養の総称です。私が尊敬する趣味家の一人が作出した株になります。株ごとに個体差はありますが、遺伝的な傾向は似ています。他のP.hillii ‘Group M’を持っている方からも「成長が早い」という声をよく聞きます。
P.hillii ‘Group M’の一番の特徴は、胞子葉の先端です。切れ込み自体は浅いのですが、先端が硬くチリチリと分岐していきます。育てていくうちに分岐が増え、さらにうねりが出てくる。この変化が目に見えて分かるのが面白いところです。
育ててみてどうか
ビカクシダは通常、胞子葉と貯水葉のターンが切り替わるときに成長点の動きが止まる傾向がありますが、P.hillii ‘Group M’にはそれがないように感じています。淡々と同じ速度でひたすら成長し続けます。
私の環境では、完全室内でパネルライトを使っていて、胞子葉の上で計測するとだいたい 10,000ルクス 程度になるようにしています。この光量でも胞子葉は立体的に育っています。新しい葉が上を向いて出てきて、徐々に下を向いていく。全方位に胞子葉が広がっている姿は見応えがあります。
注意点
成長が早いので、板替えのタイミングを逃さないようにしてください。
水苔の盛り方にも注意が必要です。私が育てた限りでは、P.hilliiは貯水葉が水苔に沿って展開する傾向が強く、水苔の形がそのまま株の姿に影響すると感じています。
水苔の盛り方による違い(私の経験から)
私はできるだけ平たくつけるようにしています。正面から見た姿をきれいに保ちたいなら、平たくつけるのが良いと感じています。ただし、噴水のように上に向かって仕立てたいという人もいるので、この辺は好みです。
あと、子株はかなり吹きづらい品種だと感じています。他の方からも同じ声を聞くので、P.hillii ‘Group M’の傾向かもしれません。
P.Triceratops
成長記録
2025年8月 — 入手直後
2025年10月 — 約1ヶ月後
2026年3月 — 約7ヶ月後
どんな品種か
P.Triceratopsは、P.White Wingという交雑種の胞子選抜です。台湾の何かの大会で優勝したとかしてないとかで、期待のビカクシダです。
特徴は、切れ込みが非常に深く、多分岐になるところです。個人的なイメージで言うと、P.Ginkaの先端をもっと深く切れ込ませたような感じです。
また、白い葉脈がとても目立ち、バキバキとした硬い葉になります。貯水葉にはあまり特徴はないかなと思っています。
とても個性的で、かっこいいビカクシダだと思います。
ただし、私が持っているのはまだ中株くらいなので、これらの特徴はまだ完全には出てきていません。大株の姿が気になる方は、Instagramなどで一度調べてみてください。
育ててみてどうか
小さい苗の頃と比べると分岐が明らかに増え、葉に厚みが出てきて、葉脈の白さがはっきりしてきました。
私の環境では、パネルライトを使っていて、胞子葉の上で計測するとだいたい 15,000ルクス 程度になるようにしています。しっかり光を当てているので、ガチガチに締まった姿に仕上がってきています。
成長速度は、私が育てている品種の中でもトップクラスに早いと感じています。どんどん大きくなっていくので、変化を追いかけるのが楽しいです。見た目の個性も強く、成長も早い。本当におすすめできるビカクシダだと思います。
注意点
P.ElsaやP.Celsoなどの園芸品種と同様に、P.Triceratopsも貯水葉が出にくい品種だと思います。私の株でも、未だに貯水葉を見たことがありません。
貯水葉が出ないと成長点が安定せず、首折れのリスクが高くなると考えられます。私の株も成長点が少しグラグラしているので、首折れ対策は必要になってくると思います。
首折れ対策
これらの方法を一つ、ないしは複数組み合わせて工夫して、成長点のグラつきを抑えてあげる必要があると思います。
実際に私もP.Celso Tatsutaを首折れで枯らした経験があります。詳しくは以下の記事に書いています。
私が枯らしたビカクシダ4品種|原因不明で枯れた記録
ペドロ、ギンカ、BQDs、スパーバムドワーフを枯らした記録です。
P.willinckii ‘Izanagi’
成長記録
2024年6月 — 入手直後
2025年2月 — 約8ヶ月後
2026年2月 — 約1年8ヶ月後
どんな品種か
P.willinckii ‘Izanagi’は、胞子葉が細葉になるP.willinckiiです。貯水葉は大きく冠状に展開します。一般的なP.willinckiiは貯水葉の上部は尖りますが横のサイドは尖らないのに対して、P.willinckii ‘Izanagi’は横のサイドも割と尖るのが特徴です。また、貯水葉に大きく切れ込みが入るので、そこも特徴的で見応えがあります。
サイズ感は大きくなりすぎず、かといってドワーフほど小さくもない、ちょうど中間です。普通に育てていても割とコンパクトに収まるので、室内栽培でスペースに限りがある人にも向いていると思います。
丈夫で子株をよく吹く印象です。
育ててみてどうか
とにかく成長が早いです。P.willinckiiによくある胞子葉と貯水葉のターンが切り替わるときの成長の停滞がほとんどありません。貯水葉がターンのたびに前回よりも大きく冠状に広がっていく様子は見応えがあります。
私の環境では、パネルライトを使っていて、胞子葉の上で計測するとだいたい 10,000ルクス 程度になるようにしています。育てる環境によって姿が変わる品種で、さらに強い光で育てるとドワーフっぽくコンパクトに仕立てることもできるみたいです。同じ品種なのに、育て方次第で違う表情を見せてくれます。
注意点
成長が早いので、板替えのタイミングを逃さないようにしてください。貯水葉が板を覆ってしまうと見た目が悪くなるので、そうなる前に大きめの板に替えてあげるのが良いと思います。
水苔の盛り方については、まんべんなく平たく盛る方が貯水葉がより広がりやすくなり、どっしりとしたかっこいい印象になるのでおすすめです。水苔の盛り方について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
木材の平板 vs コルク|私が木材の平板を選ぶ理由
板付けの土台選びと水苔の盛り方について解説しています。
育てる環境について
光
完全室内で育てる場合、パネルライトがあると便利です。薄くて軽く、ラックの上でも壁掛けでも設置できるので、室内栽培との相性が良いと感じています。
水やり
水苔の下側を触って、表面が乾いていたらすぐに水やりをしています。カラカラになるまで待つと成長が鈍る印象があるので、乾かしすぎないようにしています。水やりについて詳しくは以下の記事に書いています。
ビカクシダの水やり|頻度と方法・失敗しないコツ
水苔の下側が乾いたらすぐに与えることが大切。株サイズ別の水やり方法と失敗しないコツを紹介。
水やりの際に、活力剤としてHB-101とタスケルプを添加しています。どちらも毎回の水やり時にバケツに入れて使っています。
水やりのたびに添加している天然植物活力液です。感覚的に、入れた方が調子が良い気がしています。
天然の植物ホルモンを含むバイオスティミュラントです。週1回、小株から中株に積極的に使っています。
風
サーキュレーターで24時間空気を動かしています。風がないとカイガラムシが増殖しやすくなるので、風は当てた方が良いと思います。具体的には、葉先がちょっとだけ動く程度の弱い風で十分です。逆に風を当てすぎると、いたずらに水苔が乾いてしまいますし、無駄にストレスを与えるだけだと思っているので、強い風を当てることはおすすめしません。
湿度
特に加湿器は使っていません。私の環境では湿度はあまり気にしていません。
肥料
元肥としてマグァンプKを水苔に混ぜ込んで使っています。肥料を使うか使わないかでは成長に差が出ると感じていますが、どの肥料を使うかについてはそこまで大きな差はないと思います。詳しくは以下の記事に書いています。
ビカクシダに使っている肥料|マグァンプKの使い方
なぜマグァンプKを選んでいるのか、コケ増しでの仕込み方、使用量、注意点を紹介。
どこで買えるか
3品種とも、主に ヤフオク や 植物イベント で購入できます。一般的な観葉植物が買えるお店やホームセンターでは売っていないので注意してください。
P.willinckii ‘Izanagi’は最近流通が増えてきましたが、P.hillii ‘Group M’とP.Triceratopsについてはまだ流通量が少ないです。ヤフオク等でたまに売られているので、チェックしてみてください。
Instagramで親株の写真を見て、育て方や株の状態を確認してから、信頼できる方から購入すると安心です。
まとめ
3品種のポイント
3品種とも、成長速度が速く、育てていると変化がすぐに目に見えて分かるので、「育てている実感」を感じやすいと思います。
もちろん、最終的には自分が好きなものを選ぶのが一番です。ただ、「何を買えばいいか分からない」という人にとっては、成長が早い品種から始めてみるのも一つの選択肢だと思います。
初心者におすすめのウィリンキー3選
ウィリンキーの中でも初心者が育てやすい品種を紹介しています。
ビカクシダの水やり|頻度と方法・失敗しないコツ
初めてのビカクシダを迎えたら、まず知っておきたい水やりの基本。
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JISAKUBO
管理人2020年からビカクシダを育てています。気づいたら5年で100種類以上。たくさん枯らして、たくさん学びました。自分の備忘録ですが、何かひとつでも参考になれば嬉しいです。
@j39bo