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ビカクシダの誘引テクニック その4|ワイヤーで貯水葉を末広がりにする

PUBLISHED: 02.21.2026
ビカクシダの誘引テクニック その4|ワイヤーで貯水葉を末広がりにする
⚠️ Premise

この記事は、私の特定の環境(室内栽培)での経験をもとに書いています。すべての環境に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。

この記事でわかること

この記事では、アルミワイヤーを貯水葉の裏側の水苔に刺し込み、外側に曲げることで貯水葉を末広がり(ハの字)の形にする誘引テクニックについて書きます。ワイヤーの刺し方、実際の手順、コツと注意点を、P.willinckii ‘yellow moon’(イエロームーン)とコロナリウムの写真付きで紹介します。


目次


ビカクシダの誘引テクニック その4|ワイヤーで貯水葉を末広がりにする

誘引テクニック その1〜その3では、胞子葉の誘引テクニックを紹介しました。

今回は初めての貯水葉の誘引テクニックです。アルミワイヤーを貯水葉の裏側の水苔に刺し込み、外側に曲げることで、貯水葉を末広がりの形にします。私はこのテクニックを「刺し」と呼んでいます。(嘘です)


このテクニックについて

このテクニックは、アルミワイヤーを貯水葉の裏側の水苔に刺し込み、外側に曲げることで、貯水葉を押し広げる方法です。

ここで言う「末広がり」とは、貯水葉が壺のようにクビレた形ではなく、下から上に向かってどっしりとハの字に広がっている形のことです。個人的には、この末広がりの形の方が美しいと感じています。

ただし、これはあくまでも個人の美意識の問題です。貯水葉の形を末広がりにしたいかどうかは好みの話であり、やってもやらなくてもビカクシダの生育には影響しません。

このテクニックの最大の利点は、確実性の高さです。私の経験では100%成功しています。一度貯水葉を外側に向けて形を作ると、次の貯水葉は必ずこのラインに沿って展開しました。つまり、一度やれば次の貯水葉からは末広がりになります。

💡 Tips

貯水葉の誘引方法としては、ワイヤーをカーブ状に加工して、ヘアバンドのように貯水葉の裏側に沿わせてラインを作るという方法もあります。ただし、この方法だと装着後の微調整がしにくいと感じています。貯水葉が成長するにつれてカーブを緩やかにしたり、きつくしたりといった調整が後からできません。その点、水苔に刺し込む方法は後から自由に調整できるため、私はこちらをよく使っています。


どんな時に使う方法か

この方法は、以下のような状況で使います。

  • 貯水葉が壺のようにクビレた形で展開している
  • 貯水葉を末広がり(ハの字)の形にしたい

貯水葉の形にこだわりがなければ、この誘引は不要です。


どのビカクシダで使えるか

私はウィリンキーとコロナリウムでこのテクニックを使っています。

また、水苔の盛り方も関係します。ウィリンキーやコロナリウムの場合、水苔を薄めに盛る方がもともと末広がりになりやすい傾向があると感じています。このテクニックは、その自然な傾向をさらに強くするものです。


ワイヤーの準備

使うワイヤーは、誘引テクニック その1〜その3で紹介したアルミワイヤーと同じものです。太さの選び方もその1〜その3と同じです。

アルミ線 茶 3.0mm×15m 300g巻

太めで強度高。硬い胞子葉や着生フックとしても使えます。

アルミ線 茶 2.0mm×35m 300g巻

細めで軽量。柔らかい胞子葉に適しています。

ワイヤーをU字型に曲げて使います。

U字型に曲げたアルミワイヤー

ワイヤーの先端は、ペンチで断面を鋭い角度に加工しておきます。こうすることで、水苔に刺し込みやすくなります。

ペンチで先端を鋭角に加工したワイヤー

実際の誘引手順

ここからは、実際にイエロームーンで誘引する手順を紹介します。

誘引前の状態

まず、誘引前の株の状態です。

誘引前のイエロームーンの状態

ワイヤーを刺し込む

貯水葉の裏側の水苔に、アルミワイヤーを刺し込みます。刺した部分を起点にワイヤーを外側に曲げ、貯水葉を押し広げます。

貯水葉の裏側の水苔にワイヤーを刺し込む様子 ワイヤーを外側に曲げて貯水葉を押し広げる様子
💡 Tips

ビカクシダを裏から見て、貯水葉と水苔の間に隙間がある場合は、水苔を詰めておくことをおすすめします。形が安定するだけでなく、見栄えも良くなりますし、根張りの改善にもつながります。この話題については、また別の記事で詳しく書く予定です。

誘引後の状態

誘引後の全体像です。ワイヤーで貯水葉が外側に押し広げられ、末広がりのシルエットになりました。あとは次の貯水葉がこのラインに沿って展開するのを待ちます。

誘引後のイエロームーン全体像

装着後の管理

ワイヤーはつけたままで問題ありません。外す必要はなく、私はそのままにしています。また広げたくなった時にそのまま調整できるので、つけっぱなしの方が便利です。


コツと注意点

力を入れすぎない

力を入れすぎると、貯水葉が裂けてしまいます。貯水葉の柔軟性を確認しながら、慎重に作業してください。

ワイヤーを外側に刺しすぎない

ワイヤーをより外側に刺す方が曲げる力は強くなりますが、やりすぎると、貯水葉を内側から外側に突き刺して穴を開けてしまうことがあります。

貯水葉の裏側に水苔を詰める

作業前に貯水葉の裏側を確認して、水苔と貯水葉の間に隙間がある場合は、水苔を詰めておくことをおすすめします。

成長点に注意する

作業中にワイヤーが勢いで成長点に刺さる可能性があります。成長点の位置を確認しながら、注意して作業してください。


大株の貯水葉への対応

大株になると貯水葉が分厚くなり、強度も増します。そのため、基本のU字型ワイヤーでは力が足りないことがあります。その場合は、U字型に曲げたワイヤーをさらに折りたたんで強度を増します。こうすることで、より強い力で貯水葉を外側に押し広げることができます。

折りたたんで強度を増したワイヤー

以下の写真は、コロナリウムでワイヤーを使って最初の貯水葉を外側に押し広げた後の状態です。そのラインに沿って、後から展開した貯水葉も末広がりに展開しています。

ワイヤー誘引後に展開した貯水葉がラインに沿っている様子

完成形の全体像です。

コロナリウムの末広がり完成形

まとめ

Summary

ワイヤーで貯水葉を末広がりにするポイント

その1〜その3は胞子葉の誘引テクニック、その4は貯水葉の誘引テクニック
貯水葉の裏側の水苔にワイヤーを刺し込み、外側に曲げて末広がりの形にする
一度形を作ると、私の経験では次の貯水葉は必ずそのラインに沿って展開した
力を入れすぎると貯水葉が裂ける。ワイヤーを外側に刺しすぎると穴が開く
成長点にワイヤーが刺さらないよう注意して作業する


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この記事を書いた人
JISAKUBO

JISAKUBO

管理人

2020年からビカクシダを育てています。気づいたら5年で100種類以上。たくさん枯らして、たくさん学びました。自分の備忘録ですが、何かひとつでも参考になれば嬉しいです。

@j39bo